993カレラTip前期型
2017.11.08
ここに登場する993カレラTipは、95年モデルの前期型でございます。
エンジンについては、可変吸気システム、通称“バリオラム”を持たないモデルでございます。
964カレラ2用のエンジンM64/01をそのまま流用し、この車両はM64/05型でTipですのでM64/06型となっております。
その964からの変更点は、ムービング・パーツの軽量化とクランクシャフトの強化、そして燃焼マネジメントの緻密化が主となります。
まず軽量化に関しては、コンロッド及びピストン、また各バルブのシャフト長さを1mm短くし、併せてスプリングキャップも軽量化。インテーク、エキゾーストのバルブやロッカーアーム周辺パーツを数gずつ軽量化されており、この地道な軽量化の積み重ねによって、993のエンジンの鋭い感触は生まれているのです。
また、定期的なタペット調整も油圧化により、メンテナンスフリーとなった点も嬉しい限りですね。
また、マグネシウム合金を多用することでエンジン本体の重量も軽くなっております。
後期型のバリオラム付エンジンは、あの993RSで最初に採用され、素晴らしいものではあります。
エンジンの回転数に応じてマニホールドが可変化され、まさしく低回転域から高回転域までパワーとトルクを増大させ、日常での扱いやすさと速さを両立させたものでした。
足廻りについては、以前ストックリストにあった993カレラTip後期型で説明させていただきましたが、マルチリンクの採用で964以前のようなリスキーなオーバーステアとは完全に決別した感があり(ちょっと寂しい気もしますが😢)
実際に私も過去に993スーパーカップでFSWを走っておりましたが、一度もスピンをした記憶がなく😊とても乗りやすく、コーナリングが速く感じられました😊
964RSはそれなりにリスキーでしたが…💦
それでいて、この993カレラTip前期型(後期型も含む)は、ちょっと愛らしいフォルムではございますが、当然の如く、実はすべてのパーツに意味があり、リアフェンダーの拡大はマルチリンクを収める為と、ヘッドライト廻りと嵩上げされたトラックフードはあの偉大な959をお手本として、新設計されたものです。これぞ、機能美ではないでしょうか。
そして空冷911の最終完成型として、有終の美を飾った993でございます。
他には見いだせない価値を持った心に残る1台となり、これからどんどん進化していく中で、この独特のフォルムを持った993が、永遠に語り継がれ魅了されることではないでしょうか…。
まぁ😊いつも通りではございますが、そんな993カレラTip前期型を愛車の1台としていかがでしょうか?